別れは少しずつ終わる
「あとどれくらい?」という問いは、心の中に壊れたか直ったかの1つの部品がある前提になっている。実際には別れのあと、いくつもの過程が同時に進み、それぞれ速度が違う。元恋人への気持ちを日ごとに記録した日記研究では、悲しみと怒りは愛情や愛着より明らかに早く減っていた。悲しみはもっとも大きく響き、最初に薄れる部分。たいてい、それで乗り越えられたかどうかを判断する。怒りは波のように訪れ、ある言葉や不公平さなど具体的なことに結びつく。誰が正しかったのかを心の中で論じ続けるあいだ、怒りは残る。
だから不思議な計算になる。2か月後には眠れて、働けて、誰かの冗談に笑える。でも夜になるとメッセージを送りたくなり、自分に0点をつける。いちばん遅く消える部分で全体を測ってしまうから。愛着は何よりゆっくり薄れる。復縁したくはないのに、恋しくなることはある。そして感情とは別に、生活の予定がある。帰り道、夜のメッセージ、日曜の朝。気持ちは減っても、1日はまだ2人仕様のまま。
だから「いつ終わる?」ではなく、「何がまだ燃えている?」と聞くほうが役に立つ。「恋しい」と「まだ怒っている」は別の状態で、終わる時期も違う。
予測はたいてい現実より長い
最近別れた人に、約半年間、2週間ごとに尋ねた研究がある。今どれほどつらいか、1か月後と半年後にはどれほどつらいと思うか。予測は一貫して現実より悲観的だった。つらかったのは確かでも、自分で予想したほど長くも強くもなかった。
円は模式的なもの。正確な比率ではなく、誤りに一貫した方向があることを示している。今の自分の状態は正確に説明できても、未来の自分を予測した途端に外してしまった。
予測の間違いには代償がある。これから1年は廃墟のようだと確信すると、旅行や会う予定、新しい挑戦を前もって諦めてしまう。そして予測したその状態と、ひとりきりで向き合うことになる。
ここで正確な数字には注意が必要。もっともよく知られているのは約11週間。ある調査で学生たちが別れのよい面を挙げ始めたのが、その頃だった。これは測定された回復ではなく自己報告。「すべて終わった」ではなく、最初の兆しについての話。
10人中これくらいが、11週目までに別れに役立つ面を見つけた
期間に影響するのは、交際がどれだけ続いたかよりも、その関係の中で「自分」がどれほど溶け込んでいたか。交友関係や習慣、自分についてのイメージが相手に支えられていたなら、「私は今、誰なの?」への答えがいちばん長く残る。期間を延ばすのは恋しさではなく、それ。
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出典
- 別れ後の感情の日記測定(スバラとエメリー、2005)、苦痛の予測誤差(イーストウィックら、2008)、関係における自己の曖昧化(スロッターら、2010)。11週間は、しばしば引用される2007年の学生調査によるもの。数字は自己報告。