どれほど異例なのか
ほとんどの惑星の自転軸は、少ししか傾いていません。地球は23度で、それでも季節が生まれます。天王星の傾きは約98度。つまり自転軸が軌道面とほぼ平行で、両極が交代で太陽を真正面から向くのです。
この数字から、最も奇妙なことがわかります。天王星の極では、太陽が42年間ずっと沈まず、その後さらに42年間昇りません。太陽系のほかの惑星には、これほど極端な季節の変化はありません。
傾きは23度。こまのように、自転軸は横を向き、季節は穏やかです
傾きは98度。車輪のように、極が太陽を向き、季節は42年続きます
なぜ傾いたのか
有力な説は、衝突です。若い太陽系には大きな天体が数多くあり、地球ほどの天体が衝突すれば、惑星を横倒しにできたかもしれません。この説には弱点もあります。1回の衝突なら衛星がばらばらに飛び散るはずですが、衛星は整然と公転しているのです。
衛星と環の動きが、大きな手がかりを与えてくれます。衛星も環もすべて赤道面を公転しており、惑星と一緒に傾いているのです。つまり傾きは早い段階、衛星が後に集まることになる物質の円盤がまだ周囲にあった頃に生じたと考えられます。
そこから、説をさらに絞った案が出てきます。衝突は1回ではなく複数回だった、あるいは後に消えた衛星の影響で、ゆっくり横倒しになったという案です。計算上はどのシナリオも起こりえますが、今あるデータだけでは区別できません。
なぜわかっていることが少ないのか
天王星に接近した探査機は1機だけで、それも1986年のことでした。探査機は数時間でそばを通り過ぎ、状況を1度だけ切り取ることしかできませんでした。それ以外は、遠くからの観測でわかっていることです。
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出典
- 天王星の自転軸の傾きと軌道パラメータは正確な測定値です。傾きの起源についての仮説は1990年代から議論されており、唯一のフライバイは探査機ボイジャー2号が1986年に行いました。